
みなさんこんにちは。
春日井市の歯医者【ごとう歯科クリニック】です。
毎日歯磨きしているのに、むし歯になってしまう方は
「毎日の歯みがきだけで本当にむし歯を防げるの?」
と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
そんな方にぜひ知ってほしいのが、フッ素を使ったうがいのフッ化物洗口です。
歯磨きなどのセルフケアとあわせてフッ素濃度が安定した洗口液を使うことで、歯の再石灰化を促し、むし歯の発生リスクを下げる効果が期待できます。
そこで今回は、「フッ素うがいの正しいやり方」「実施する際の注意点」について、解説していきます。
目次
■フッ化物洗口とは?むし歯予防に役立つ「フッ素うがい」の基本
フッ化物洗口とは、フッ素を含む洗口液でうがいすることでむし歯予防を行う方法です。
5〜10mLほどの洗口液を口に含み、約30秒~1分間「ぶくぶくうがい」をするだけで、歯の表面にフッ素が広がり、むし歯に強い歯をつくることが期待できます。
この方法は、歯磨き粉のフッ素と歯科医院のフッ素だけでなく、生活習慣に取り入れることで効果が見込めます。
また、自治体による集団予防としても広く採用されています。
幼稚園から中学生までを対象に定期的なフッ化物洗口を実施しており、生え変わり時期の歯をむし歯から守る取り組みとして多くの子どもが参加しています。
近年では、自治体だけでなく大人のセルフケアとして取り入れる方も増えており、毎日の歯磨きにプラスするむし歯予防法として注目されています。
■フッ化物洗口でむし歯予防が見込める3つの理由
◎歯を強くする(歯質強化)
フッ素が、歯の表面を覆うエナメル質に取り込まれると、むし歯の原因となる「酸」に溶けにくい性質へと変化します。
すると「むし歯に負けない強い歯」が作られ、酸によるダメージを受けにくくなります。
◎初期むし歯を修復する(再石灰化の促進)
食事や飲み物の影響で歯の表面からカルシウムやリンが溶け出す「脱灰(だっかい)」。
フッ素は、この溶け出した成分の再石灰化を促し、傷ついたエナメル質の修復を後押しします。そのため、初期むし歯であれば、進行を食い止められる可能性が高まります。
◎むし歯菌の働きを弱める(細菌の酸産生を抑制)
フッ素には、プラーク中のむし歯菌が酸を作る力を弱める働きがあります。
そのため、「酸が作られにくい口内環境」を整え、むし歯の原因となる脱灰そのものを起こしにくくしてくれます。
これら3つの作用が同時に働くことで、フッ化物洗口はむし歯予防の効果が見込めるのです。
■いつから始める?フッ化物洗口を効果的に取り入れるポイント
◎フッ化物洗口を始める時期
フッ化物洗口は、歯が弱い乳歯〜永久歯の生え変わり期(幼児〜学童期)が効果的です。
ただし、ぶくぶくうがいができることが必須条件のため、4歳未満の子どもには注意が必要です。
◎頻度と方法
代表的な方法は次の2つです。
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週1回法 450ppm・10mLで1分うがい(小中学校向け)
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週5回法 250ppm・5mLで30秒〜1分(幼児向け)
また、市販の洗口液の用法用量を守って使用することが大切です。
■子どもだけではなく大人にもメリットがあるフッ化物洗口
「フッ素うがいは子どものもの」というイメージがあるかもしれませんが、大人にも効果が見込めます。
年齢を重ねると歯茎が下がり、歯の根元が露出することでむし歯になりやすくなることがあります。
こうした「根面う蝕」の予防にも、フッ化物洗口は歯質を強くする働きがあります。
また、フッ素濃度の低いうがい用洗口液は、通常の使用で健康への影響はほとんどないとされています。ただし、口の中が敏感なときや、口内炎・傷がある場合は、状況を見ながら無理のない範囲で使用しましょう。
■フッ化物洗口を始めるときのポイント
◎歯みがき後に行う
洗口前に歯垢や食べかすが残っていると、洗口液が歯にしっかり届かないことも。
そのため、食後や就寝前など、歯磨きの直後に行うのがおすすめです。
◎定期的な歯科受診と併用する
フッ化物洗口はあくまでむし歯予防を強化するためのケアの1つです。
定期的な歯科検診やプロフェッショナルクリーニングと併せて行うことで、さらに効果が見込めます。
■むし歯予防には「フッ素うがい」を取り入れよう
フッ化物洗口は歯磨きだけでは届きにくい部分を守る予防法の1つです。
子どもから大人まで使用でき、歯質強化・再石灰化・むし歯菌の抑制といった効果から、むし歯を防ぐ効果が期待できます。
当院では、定期検診の時にフッ素についてもご紹介できますので、お気軽にご相談ください。
